交通事故の基礎知識

交通事故に関する法律から自動車の知識まで、交通事故にあってしまったら知っておきたいことを弁護士が分かりやすく説明します!

分野別の目次は、こちらの【コラム目次】をご覧ください

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【交差点事故】点滅信号を渡る歩行者と右折車の衝突、過失割合は?

歩行者が、歩行者用信号が青点滅になったあとに道路を横断し初めたところ、交差する道路を右左折してきた自動車にはねられるという事故が意外と多くあります。

このような場合、歩行者と自動車の過失割合はどのようになるのでしょうか?

1 歩行者用信号が青点滅の意味

 歩行者用信号が青点滅になった場合の歩行者の義務をご存じでしょうか?

 信号の意味については、道路交通法4条4項で「信号機の表示する信号の意味その他信号機について必要な事項は、政令で定める」とされています。

 この政令とは道路交通法施行令のことです。

 では、道路交通法施行令にはどう書いてあるのかというと、2条1項で「法第四条第四項 に規定する信号機の表示する信号の種類及び意味は、次の表に掲げるとおりとし・・・」として信号の意味について表にしています。

 この表のうち歩行者用信号が点滅した場合について見ると以下のように規定されています。

「人の形の記号を有する青色の灯火の点滅:

 一  歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、速やかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。
二  横断歩道を進行しようとする普通自転車は、道路の横断を始めてはならないこと。」

 つまり、歩行者用信号が青点滅のときに道路を横断し始めた行為は、違法な行為であるといえます。 

 実は、青点滅と全く同じ説明になっているものがあります。

 それは、信号が黄色の場合です。

 ですから、歩行者用信号の青点滅は、普通の信号の黄色と考えて良いでしょう。

2 歩行者と自動車の過失割合は?

 上記のとおり、歩行者が、歩行者信号が青点滅のときに道路の横断を開始した場合は違法行為となるので、ある程度の過失が認められます、他方で交通事故の過失割合の基本的考え方のページで説明したように、優者の危険負担(大きなダメージを与える乗り物に乗っている方が他の通行者に配慮する義務を負う結果、過失も多くなる)や運行慣行も考慮されます。

 そのため、自動車運転者は、横断歩道上に人がいないか注意する義務が課せられること、信号が点滅中に急いで渡ろうとする歩行者も多くいることという点も 考慮されることとなります。

 多くの裁判例では、上記のような点を総合考慮し、歩行者用信号が青点滅になったあと道路を横断し始めた歩行者と右左折車との衝突事故の場合、歩行者に30~40%くらいの過失があるとされる裁判例が多いようです。

 また、上記1のとおり、歩行者用信号の青点滅は、普通の信号の黄色と同様の交通ルールとなるところ、歩行者が黄信号で道路を横断し始めたときに、青信号のときに右左折を開始していた自動車と衝突した事例については、「別冊判例タイムズ38」という本の【13】番に基本の過失割合が載っています。

 その別冊判例タイムズ【13】では、歩行者の基本の過失割合を30%とし、道路状況などにより修正をしており、注意書きに青点滅信号も同様に扱うべきと書かれています。

弁護士 本田幸則

弁護士 本田幸則

2007年に弁護士登録をし、2014年に「なごみ法律事務所」を設立。 自身が交通事故にあったことをきっかけに、交通事故の被害者側での弁護活動に注力するようになる。