交通事故の基礎知識

交通事故に関する法律から自動車の知識まで、交通事故にあってしまったら知っておきたいことを弁護士が分かりやすく説明します!

分野別の目次は、こちらの【コラム目次】をご覧ください

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弁護士費用特約を利用した場合でも加害者に弁護士費用を請求できる?

最近では、ほとんどの任意保険に弁護士費用特約が付いています。

弁護士費用特約とは、あなたが交通事故にあい、相手と交渉や裁判が必要な場合で、保険契約約款に定められた要件を満たす場合には、保険会社があなたが依頼する弁護士の弁護費用を負担するというものです(ただし、ほとんどの場合上限300万円とされています)。

 

この弁護士費用特約を利用して、弁護士に依頼した場合、弁護士費用は保険会社が払ってくれて、あなたは1円も支払わなくてよいという場合があります。

そうすると、あなたは弁護士費用を負担していないので、通常は弁護士費用が交通事故による損害として認められるけれども、弁護士費用特約を利用した場合には弁護士費用を損害として加害者に請求できないのではないかという問題が出てきます。

 

この問題について、結論から申し上げると、弁護士費用特約を利用した場合でも、弁護士費用を加害者に請求することができます。

 

この点について判断した裁判例として、東京地方裁判所平成24年1月27日判決というものがあります。

この裁判例で、裁判所は、「原告Xが自動車保険契約の弁護士費用特約を利用していたとしても,弁護士費用相当額の保険金は原告Xの負担した保険料の対価として支払われるものであるから,原告Xに弁護士費用相当額の損害が発生していないとはいえない」としています。

 

要するに、弁護士特約を使えるのは、被害者が特約なしの保険より高い保険料を払っていたからであって、結局は被害者が弁護費用を負担しているじゃないかというわけです。

 

弁護士 本田幸則

弁護士 本田幸則

2007年に弁護士登録をし、2014年に「なごみ法律事務所」を設立。 自身が交通事故にあったことをきっかけに、交通事故の被害者側での弁護活動に注力するようになる。