交通事故の基礎知識

交通事故に関する法律から自動車の知識まで、交通事故にあってしまったら知っておきたいことを弁護士が分かりやすく説明します!

分野別の目次は、こちらの【コラム目次】をご覧ください

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事故での閉じ込め・・・車内から脱出するためにハンマーを用意しよう

2017年7月14日に起きた交通事故で、車内に閉じ込められた方を、K-1の小宮山工介選手がヒジでサイドガラスを割って救出したことが大きなニュースになりました。

小宮山選手の勇気ある行動によって、命が救われたことは非常に素晴らしいことだと思います。

また、小宮山選手自身もケガをされたようで、お見舞い申し上げます。

 

が、同時に交通事故を扱う者として1つ疑問が浮かびました。

「誰も脱出用ハンマーを持ってなかったの?」

 

脱出用ハンマーとは、文字通り車に閉じ込められたときにサイドガラスを割って脱出するためにつくられたものです(*フロントガラスを割るのは困難です)。

車のガラスは非常に固いので、脱出用ハンマーは、普通のハンマーと違って一点に力が集中するように叩く部分がとがっています。

また、事故の衝撃でシートベルトがはずれなくなったときのために、シートベルトカッターも付いているのが通常です。

 

この脱出用ハンマーの効果については、JAFが実験しています(JAFの脱出実験)。

この実験によると、水没していく車内からガラスを割れたのは脱出用ハンマーのみだそうです(鍵は上手く使えば割れそうな気がしますが・・・)。

ですから、是非とも脱出用ハンマーを車内に常備してください。

 

そして、脱出用ハンマーを使うときは、サイドガラスの四隅を叩いてください。

フロントガラスは、飛散防止のためのフィルムがガラスでサンドイッチされる形になっており、大きく割るのが難しいからです。

また、ガラスの中央付近は、ガラスがしなることで衝撃を吸収してしまい割れにくいからです。

 

「脱出用ハンマーは、置き場所に困るしちょっと・・・」

という方は、せめてタクティカルペンを置いてください。

タクティカルペンは、本来格闘用につくられたものですが、先端が尖っており、非常に固いため脱出用ハンマー代わりに使うことができます(それでも脱出用ハンマーの方が車の窓を割るという点では優れていますが)。

 

小宮山選手は、プロ格闘家で、しかも、車の外からでしたから車の窓を割ることができましたが、普通はそんなことはできません。

皆さんは、是非とも脱出用ハンマーを車内に常備してください。

脱出用ハンマーは、カー用品店や通販で買うことができます。

購入時には、国民生活センターの品質評価を参考にしてもいいでしょう。

弁護士 本田幸則

弁護士 本田幸則

2007年に弁護士登録をし、2014年に「なごみ法律事務所」を設立。 自身が交通事故にあったことをきっかけに、交通事故の被害者側での弁護活動に注力するようになる。